「一番安全を願っている者は」+「自衛隊用語」(つづき)

今回は「面白話し」とは言えないかも知れません。
今、普天間基地へのMV-22オスプレーの配備について、反対運動が盛んです。
「過去に事故を起こしているので、安全を確認しなければ配備することはまかりならん」というのが地元の意向とのことです。
ブログにも書きましたが、100%の安全というものはありません。革新的かつ最新鋭のMV-22オスプレーは革新的な割には低い事故率であると思われます。
基地周辺に住宅地があるところでは、住民の安全について、非常に厳しいのが世論です。
こういう話を聞くたびに、昔、防衛大学校の第1期卒業生で、戦闘機パイロットだったO氏の言葉を思い出します。当時は愛知県の小牧飛行場に戦闘機部隊がありました。
当時としては最も市街地に接近した飛行場だったと思います。
O氏いわく「小牧に降りる(着陸)とき、離陸するときは非常に緊張する。もし不具合があったら、逃げる所が無いからな」「周辺に家屋が密集しているところは、おれたちパイロットが一番怖がっているよ」とのことでした。
先日のブログで、入間のT-33練習機墜落のことについて述べましたが、脱出装置があるにもかかわらず、住民の安全を考え、自分たちが犠牲になって、入間川の河川敷まで機体を運んだのです。
MV-22オスプレーは輸送機のため脱出装置がありません。事故があった場合、ほとんどの場合パイロットを始め乗組員は助かりません。
周辺住民の安全は非常に大切なものです。しかし、乗組員の命も同じ命です。何か、別の生き物が運用しているような、事故を起こしたがっているような報道は心が痛みます。
航空機の安全飛行のため、開発者、運用者は安全に細心の注意を払っています。それでも事故は起こります。事故を起こして最も困るのは、死に直面する乗組員であり、運用の責任者である海兵隊自身です。
事故をもっとも恐れるのはそれに乗り組む人々だということは、皆さんも旅客機に乗り、目的地に着いたときに「ほっ」とした記憶があると思います。兵士たちも、これと同じ気持ちで訓練をしているのです。
繰り返しになりますが、100%の安全はありません。

先日「自衛隊独特の言葉」についての、お話をしましたが、その後思い出したことがあるので書きます。
「物干場」は通常、「ものほしば」と読みますが、自衛隊では「ぶっかんば」と呼びます。
同じように「真面目」は通常「まじめ」ですが、自衛隊では時々「しんめんもく」と言います。「しんめんもくな戦い」などと使います。「まじめな戦い」では普段はふまじめな戦いかとなるので、いっそう強調するための使い方です。
私も知らなかったのですが陸上自衛隊では「過高山的(かこうざんてき)」という表現を使うそうです。要は高いところは高く、低いところは低くそれぞれ強調するときに使うそうです。まったく知りませんでした。教えてくれた方は、普通に使う言葉だとばかり思っておられたそうです。