「BUI」って何?

陸上自衛隊では、最近は、任官時の西暦末尾二桁(例えば85期は1985年に任官)で幹部自衛官を呼びますが、B・U・Iと出身別を呼称します。Bは防衛大学校出身者(BOUDAI)、Uは一般大学出身者(University)、Iは部内幹部(InnerかInter? 当事者さえ、あまり明確ではありません)です。

航空自衛隊は防大、部外、部内と、たまに部内の一部を分けて「トッチャン幹部」といいます。「トッチャン幹部」は定年近くになってから幹部になる空曹の事で、ほかの幹部候補生が学校で22歳から30歳ぐらいなのに対して50歳ぐらいなので、まさにトッチャンなのでそう呼びます。

陸ではUは一般大学ですが、空では「部外」と呼びます。一度、陸の大先輩に「われわれ部外」といったら、「部外とは何だ、一般大学と言え!」と叱られました。ちなみにその方は、某私立大学を卒業し、陸将になられた方です。

航空では、幹部を防大の期別で呼びます。部外(一般大学)も、「防大○○期相当」と呼ぶのが一般的です。

一方、海上自衛隊は幹校○期と呼称し、防大も一般大もあまり区別しません。江田島で初等幹部教育を受けますが、分隊編成で、構成されており、BもUも同じ分隊に組み込まれます。これはカッター(短艇)の乗り組などから来たのか、旧海軍からの伝統だそうです。

何故分隊編成なのかは、当の幹部さえ分らない人が多いのです。

階級の最上位である将(陸将、海将、空将)になる割合は、大体各自衛隊共通で、空自では各期別で「将」になれるのはB 4~3名、U 0~1名、I 0です。

海上は職種の区分が明確なため、Uでもほぼ毎期1名の将が出ています。

陸上は人数が多いので、もっと多くの「将」が誕生します。

防衛大学卒業者は、幹部候補生学校入校前に初級幹部としての教育を既に受けていますので、当然その他の者とは差がついてしまいます。また、人数的にも多いので、主要な地位を占めていくのも当然といえば当然ですが、18歳から22歳という最も感受性の強い時期に小原台(横須賀市走水)の防大であまり世間の風にさらされることなく、団体生活をし、その後も30年程度自衛隊という世間とかかわりの薄い世界で過ごすので、世間の常識と少し違った人物と社会が形成されてしまう傾向にあると思います。 私はもう少し一般大学の出身者の占める割合を増やしても良いと思っています。