殲-31

昨日発売の「週刊文春」11月15日号、38ページに、今、中国についての新進気鋭ジャーナリスト富坂 聰氏の記事が載っています。題して「人民解放軍 前代未聞“幹部総入れ替え“は尖閣シフト」というものです。
この中で、八日開幕した「中国共産党第十八回代表大会(十八大)」を前に、十一月一日、中国メディアが一斉に伝えた、中国が開発中の二機目のステルス機、殲―31について、当研究所副代表 島本順光のコメントが紹介されています。
前回もWEDGE誌(7月号)に、米国で開発中のF-35ステルス戦闘機についての論文記事が掲載されましたが、航空機開発に長年携わってきた経験をもとに論ずる副代表の意見が求められたものと考えられます。
記事では少ししか触れられていませんが、航空機用エンジンの開発がいかに難しく、そして決定的に重要であるかについても、取材時には話したそうです。これは副代表がIHI社に1年間「ジェットエンジン研修」をした経験から強く考えていることです。
また「ステルス技術」というものは、形状だけ真似しても、全く実用には供し得ないものであり、先に米国国防長官訪中時、初飛行した殲-20とともに、今回の殲-31は、まさに「張子の虎」とも言うべきもので、十八大のための花火と考えられます。
しかし、航空機開発、および航空機エンジン開発に巨額の予算を投入するという報道もあり、10年後を考えれば「本物のトラ」に変身するかもしれません。その時に万全の態勢を整えておかなければ国防とは言えないでしょう。
国防の基盤をなす防衛産業を本気で支援することが喫緊の課題です。(津々谷 格)