靖国神社秋季例大祭

10月17~20日の間、靖国神社秋季例大祭が開かれていた。17日の当日祭は小雨模様だったが、引き続いた第二日祭・第三日祭は一転して秋晴れのよい天気に恵まれ、連日6~700人の戦友やご遺族の方が参拝をされた。
私は当日祭の参拝に参列させていただいたが、参拝された戦友や御遺族の方々は、ご高齢の人がほとんどで若い人は少なかった。今後どのようにして若い世代に継承して行くのか、靖国神社にも大きな課題が残っている。

権宮司は祭事の最後の挨拶で、『今年3月から遊就館で「大東亜戦争開戦七十年展」を開いているが、若い人が見学に訪れ、戦争当時の同世代の兵士の手紙を読んで、国に奉じるその決意と生き様に感銘を受け、自らの使命感育成に役立てたいとの意見が寄せられている。この展示会によって戦争を正しく理解してくれる若者が増えることを期待している。』と言っていた。
戦後長い間、大東亜戦争と聞いただけで違和感を覚え、帝国主義・軍国主義・軍隊を批判する意見が当たり前になっている世の中で、少しずつではあるがまっとうな考えを持つ若い世代が増えていることは有難いことである。
今年は新たに36柱の御祭神が祭られという。
春秋に執り行われる例大祭は靖国神社で最も重要な祭事であり、本来なら総理大臣はじめ閣僚はこれに参列するのが筋のように思うが、なかなか実現せず残念である。

わが国では、戦争に関わる歴史が、意図的に否定され、消し去られている。そのような状態が長く続き、すでに国民感情の中に浸透している。
その原因は、敗戦の屈辱と混乱、アメリカの占領政策、特に東京裁判・教育改革・神道指令など日本の歴史・伝統・文化を否定した意図的な政策であり、さらに自由・民主の名の下にそれに同調した政治家・学者・報道機関が国家主義を排し、日本を骨抜きにしてしまったからだろう。

昨今、中国・尖閣諸島の問題が大きくなっているが、中学・高等学校でこの問題を取り上げているところはほとんどない。従って子供たちは領土問題を正しく理解していない、と言うよりも理解する機会も与えられていないのが現実である。
それに対して中国や韓国の子供たちが学校で尖閣諸島や竹島が自国の領土であると徹底して教え込まれている。これでは国の将来が思いやられる。

「大東亜戦争開戦七十年展」は12月9日まで開かれているので、若い人には是非靖国神社遊就館に足を運んでもらいたい。戦争を無くすためには、戦争に正面から向き合い、戦争を正しく理解することが必須である。靖国の展示は正しい国家意識や歴史認識を学ぶためのよい機会を与えてくれるだろう。(松島悠佐)