「南スーダンPKOでの日誌の問題」
「南スーダンPKOでの日誌の問題」
南スーダンPKOの日誌の問題で稲田防衛大臣がふたたび疑惑の矢面に立たされている。
このことは3月にも「シビリアンコントロール」をテーマにして意見を書いたが、PKOであれ作戦なのだから自衛隊の現地部隊は日報を書いて上級部隊に報告するのが当然であり、事後の対応を考えれば短期間で破棄するはずは無いし、日報を大臣に報告しなかったとか、隠したとかの問題などは無かったと思う。
だがそれを国会にどのように報告するのかについては、種々の政治判断や行政的な判断もあることだから細部のことは当事者で無いとわからない。「言ったとか言わなかった」などでもめている森友学園や加計学園の問題も同じだろう。
それなのに、このような問題を制服組だけの所為にして陸上幕僚長以下を特別監察して、政治家と官僚組織が事なかれの逃げの姿勢を採っているのだったら許せない。
監察の結果がまだ公表されていないので、とやかく言うのは控えるが、政治家と官僚と作戦を実行する自衛官の間に最も大事なのは信頼関係である。このことは戦史を研究すれば直ぐにわかることである。
軍隊が動くということは、PKOであっても災害救援であってもそんなに軽々しいものではない。
政治家と官僚もこれを機会に軍事の問題、特に部隊の運用についてもう少し勉強したらいかがだろうか。そうすれば、作戦日報が無いとか焼却したなどという軍事音痴はなくなるだろう。
大事なのは政治家と官僚と自衛官の信頼関係を強くすることなのだ。今のメディアの対応は少なくとも逆に走っている事が気になっている。もういい加減にしてもらいたい。(松島悠佐、2018.7.24)