「自衛官階級呼称の怪」
昔は、列車には一等車、二等車、三等車など、船には、一等船室、二等船室などがあり、またそれぞれに特等もありました。
前に述べたことがありますが「勲章」も以前は、勲一等○○、勲二等○○・・・となっていました。
運動会などでもそうですが、順位を付けるのは良くない、勝ち負けを付けるのは良くないとのことで、みんな同じなどということが行われています。
列車などでも「グリーン車」「エコノミークラス」などの名称が使われる様になっています。勲章も「大授章」、「中授章」、「小授章」などと呼称変更されています。
一等、二等・・・と言う言い方は世の中から消えつつあります。
しかしながら、自衛官の階級呼称はいつまでたっても一等、二等、三等です。それぞれに陸佐、海佐、空佐、陸尉、海尉、空尉、陸曹、海曹、空曹、陸士、海士、空士を付けます。
例えば、一等陸佐、二等海尉、三等空曹等です。英語では、一貫して、相当する万国共通の呼称が使われていて、例えば「一等空尉」を直訳した「company officer first class」等とは言わず、「captain:キャップテン・・・大尉」等と言っています。
陸軍、空軍と海軍は呼称に違いがありますが、陸上自衛隊と航空自衛隊、海上自衛隊はそれぞれ相当する組織である、米国陸軍と空軍および、米国海軍などと同じ呼称を使用しています。 (米軍の階級呼称は概ね万国共通の呼称です)
世の中の流れでは、色々なものに等級を付けてはいけない風潮です。自衛官の呼称は自衛官という人間そのものに等級を付けるものです。これだけがまかり通っているのはおかしいのではないでしょうか。
防衛省は以前から「階級呼称の変更」を願っています。誰が、どこでそれを阻んでいるのでしょうか。非人道的ではないでしょうか。
ちょっと、いわゆる「市民グループ的」発言になりましたが、自衛官だけは問題外というのはおかしいと思います。
普通になってほしいと思います。普通でないことがたくさん存在します。「集団的自衛権の行使」「武器輸出三原則」「国際的任務で派遣された自衛隊の武器使用基準」などは常に問題になっています。私は「専守防衛」というのにも疑問を持っています。
今回の安倍政権で「防衛大綱」が改訂されます。このような「普通でないこと」も改訂してほしいものです。 (島本順光)