中国への備え

尖閣諸島に対する中国の執拗な干渉が続いている。前にも書いたがこのような行動はしつっこく続くだろう。1年や2年ではなく、10年~20年のスパンで対応を考えなければならない。
中国のように古来から民族が争って戦国時代を体験してきた国は、ヨーロッパでも同じだが、力の信奉者である。
「力を信奉する」というのは、むやみに武力を行使するということではない。力の弱い時にはじっと我慢し、力をためて、十分な力を持った時に打って出る考えである。
中国には古くから16字戦法というものが言い伝えられている。
「敵進我退、敵駐我擾、敵疲我打、敵退我進」。すなわち、敵を撹乱して、疲れるまで待って、しかる後に打って出るという戦法である。
尖閣諸島では、今さしずめ、わが国を撹乱し疲れるのを待っているところだろう。
わが国としては、疲れない体制をとって、中国に「勝機が来た」と思わせないようにすることが大事である。
そのためにやるべきことは、海上保安機能を抜本的に強化して、疲れないような警備体制をしっかり作って、自衛隊の対応戦力を強化して、付け入る隙を与えないことである。それは、わが国が十分にできることである。
今、安部政権が遠慮がちに進めようとしている政策は、もっと大胆に進めるべきだろう。中国との衝突を避けるためには、それが必須の政策だからである。
反対に、中国が「敵疲我打」という判断をした時に戦争が始まるだろう。
自衛力を強化すると戦争が起き易くなるという理屈は間違っている。
抑止力の意味をしっかりわきまえて、道を誤らないようにして欲しいものである。(松島悠佐)