わが国の独立記念日
本日4月28日は、わが国の独立記念日である。
丁度60年前、1952年(昭和27年)の4月28日、サンフランシスコ講和条約が発効し、わが国は独立主権を回復した。いわばこの日が正真正銘の独立記念日なのだが、国の記念日にはなっていないので、国民の多くから忘れられている。
「国の祝日にして、国を挙げて祝うべきではないか」と、有意の方々が20年越しの運動を続けているが、なかなか実現しない。わが国で国民の国家意識や国家観の欠落が指摘されているが、このようなところに原因があるのだろう。
現行憲法は昭和22年にアメリカの占領下で作られたものだが、独立したその時に改正すべきだったと思う。
占領下の日本には当然ながら主権はなく、わが国の防衛は米軍が担っており、日本にはまだ自衛隊も存在していなかった時代である。したがって憲法に防衛条項がない。
独立国家になった時点で憲法を改正し、自らの国をいかにして守るかということを明示すべきだったのだが、実際には改正を行わず、国防条項が欠落したままの憲法を平和憲法と称して半世紀の間墨守してきた。
独立主権国家としての証は、自らの国を自ら守るという意識が基本になっている。それが欠落し、あるいは不十分な状態では、まず独立国とは言えない。
自分の国は自分で守る国民の決意が、国家意識を育て、ひいては国家の独立を祝う心につながるのだろう。 国の独立記念日を国民みんなが祝うのは、どこの国でもごく当然に行なわれていることだが、わが国にそのような気風が育たなかったのは残念である。
国会に憲法調査会が設けられ長い間意見をまとめてきたが、現行憲法はすでに時代に合わなくなっているとの認識が強く、戦争放棄を定めた九条を含めて改正すべきとの意見が多くなっているのだが、政府はなかなか動かない。
自民党が昨年の党大会で憲法改正を目指すことを再び掲げ、憲法草案も発表した。もともと自民党は憲法改正を目指した政党だったのだが、動きが止まっていた。
今の政治家には国家のことよりも自分のことが大事だという意識が強いのだろうか?個人中心・生活中心が政治・行政の焦点になっている。その背景には戦後長い間、個人中心の教育が続いたことが影響しているのだろう。
国家のことを考える政治に早く戻してもらいたいものである。国防条項欠落のような基本的な不備のある憲法を速やかに改正し、国家の安全を守る施策を急ぐ必要がある。そうすれば、国家意識・国防意識が自然に高まり、4月28日を独立記念日として祝う習慣も出来るだろう。(松島悠佐)