敬礼・服制

前に、海上自衛隊は幹部に対して「号令」をかけないという話をしました。
陸、空自衛隊は、部隊で行動するため、部隊の敬礼というのがあり、自然と幹部自衛官にも「号令」をかけることになります。
我が国の自衛隊が外国の軍隊と違っている点としては、室内で脱帽時、挙手の敬礼が無いことです。自民党の佐藤正久氏が初当選し、初登院したとき、マスコミの求めに応じて帽子をかぶっていないにもかかわらず「挙手の敬礼」をしていたのは、奇異に感じました。本人も分かっていたと思います。
「挙手の敬礼」は元々、ヨーロッパなどで、騎士が決闘などで対戦する時、甲冑の目を覆う部分を手で上げて、お互いの顔を見せたことからきているようです。
室内で帽子をかぶっていない場合、我が国の自衛隊は、「気を付け」の姿勢から上半身を背筋を伸ばしたまま30度前傾させるのが通常です。天皇陛下に対して、及び棺(ひつぎ)に対してのみ45度上半身を前傾させる「敬礼」をします。
映画等で、よく間違っていることに「腕章」の付け方があります。
自衛隊では「腕章」は通常では右腕上腕部につけます。映画などでは、ほとんどが左腕上腕部につけています。あれは間違いです。旧帝国陸海軍も同様でしたので、NHKの「坂の上の雲」等でも、「腕章」を左上腕部にしていました。
自衛隊で左腕に「腕章」を付けるのは「喪章」だけです。
旧帝国陸海軍の参謀がつけていた「参謀肩章」は右の肩から、モール上の物をぶら下げますが、元々は鉛筆をぶら下げていたことに始まります。右利きが普通ですので右肩なのです。腕章についても同じ理由で右腕に付けるのだと考えられます。
NHKの「坂の上の雲」で私自身かなり抵抗があったのはヘアスタイルです。帝国陸海軍では、ごく一部を除き、ほとんどの軍人は「丸刈り」です。主人公の一人、秋山真之(あきやまさねゆき)役の元木雅彦さんは後半、丸刈りに近い髪形でしたが、結構長髪の俳優さんがいて、おかしな気分でした。