制服の色と形
軍隊では伝統が重んじられていて、制服の色や形もそれに従っている。
一番伝統を重んじているのは海軍で、制服の色は黒に見えるが濃紺(ネイビーブルー)で、袖に金モールが決まりのようである。民間船の艦長なども同様で、言わばシーマンの姿なのだろう。
空軍は空の色を表してブルーかライトブルー、陸軍は土か草木の色でカーキ色かグリーンが一般的である。
陸上自衛隊は昭和40年代ごろ紺の制服を着ていた時代があった。私は外国に出張した時に、空軍の将校と間違えられたことがあり、「私は陸軍だ」といったら「そんな色の陸軍はおかしいよ」といわれたことがある。
カナダでは統合軍を作り制服を黒に統一したが、なかなかうまく行かないところもあるようだ。因みにアメリカの統合参謀本部では陸・海・空・海兵のそれぞれの軍人がそれぞれの制服を着て勤務しているが、普段かぶっている略帽の色は紫である。
「なぜ紫なの」と聞いてみたら、「ネイビーブルーとライトブルーとグリーンを混ぜるとこの色になったのさ」とジョークが返ってきた。
陸軍の制服の変り種は、ドイツ陸軍の上着は灰色、ズボンは黒というツートンカラーだろう。
アメリカの軍人がジョークでこんなことを言っていた。
「なぜドイツでは上着とズボンの色が違うのか知っているかい。それはね“上着とズボンを間違えないようにだよ”。彼らは几帳面だが案外そそっかしいからね!」
制服の色や形にもいろいろな話しがあるものだ。(松島悠佐)