日本の誇る潜水艦

先日、辛坊治郎さんと岩本光弘さんが太平洋上で遭難し、海上自衛隊のUS-2救難機が救助に成功したニュースが報道されました。
このコーナーで、日本の誇る技術として、昨年4月17日にUS-2を紹介していましたので、20万件を超えるアクセスがあり、まさに炎上状態でした。
他にも我が国の自衛隊が誇る装備品があります。その第1は「潜水艦」です。
旧帝国海軍はイ号潜水艦、ロ号潜水艦を持っていました。
イ号潜水艦は外洋で行動できる高性能の潜水艦です。酸素魚雷とともに米軍にとって脅威でした。その流れを汲んでいるのが、現在海上自衛隊が装備する潜水艦です。
通常型の動力、すなわち電池式の潜水艦で、外洋で行動できるのは我が国の潜水艦だけです。他はすべて原子力潜水艦なのです。
我が国の潜水艦は、電池式ですのでその静寂性が他に比べて非常に優れています。近頃流行りのハイブリット車が電池走行していると、騒音がないので、近づいてきても分からないのと同じ理屈です。
潜水艦に求められる大きな要素が「静寂性」なのです。元々隠密行動をとるのが潜水艦ですが、原子力潜水艦は、蒸気でタービンを回しますので、どうしても騒音が大きく、ソナー(音響探知装置)などで探知されてしまいます。
その他の航法装置、運用ノウハウなどにより、我が国の潜水艦は外洋で行動できるわけです。
現状では時々海面近くに浮上しシュノーケル(ホースのようなもの)というものを海面に出して、空気を吸う必要があります。これは熱探知されますので、通常型潜水艦の一つの大きな弱点です。しかし、現在開発中の「燃料電池」が完成すれば、シュノーケルを使う必要がなくなり、弱点をカバーできます。
原子力潜水艦を持てない、台湾、オーストラリア、その他の東南アジア諸国がのどから手が出るほど我が国の潜水艦を欲しがっている理由です。
潜水艦に関する情報は、極めて機密度が高く、私も多くは知りません。
US-2救難飛行艇がそうであるように、我が国の潜水艦も世界No1の通常型潜水艦なのです。
防御だけを考えれば、我が国の潜水艦は非常に有効なものですが、島嶼防衛を考えると、米国の潜水艦が装備している、潜水兵員輸送潜水艇(SEAL Delivery Vehicle, SDV)を搭載できるよう考える必要があるのではないかと思っています。
さらに、将来はハープーン、トマホーク等の巡航ミサイル発射能力を付与することも考えても良いのではないかと思っています。(島本順光)