韓国企業が北方四島択捉島で港湾事業開始

新聞報道では小さな記事だが、5月29日の読売に「韓国企業が択捉島で港湾事業開始」と報じている。
わが国の基本的な立場は、「北方四島における第三国の経済活動をロシアが許可する事は、あたかも当該地域の管轄権がロシアにあることを示す事になり、わが国としては容認できない」として、再三にわたって申し入れを行なってきた。
今回も、山根外務副大臣がモスクワでモルグロフ外務次官に申し入れを行なっているが、何時ものように結果は無視されているようである。
ロシアとの交渉においては、力を背景にして、長期的にかつ一貫した姿勢を貫く事が必要であり、力がないとロシアは見向きもしない。(「極東ロシアの軋轢」参照)
ロシアに限らず、国際社会での交渉は皆同様であり、話し合いをいかに重ねても、約束を強制出来る力がなければ何の意味も成さない。
シリアの事態も同様である。
平和ボケと言われるわが国では、「盟約は剣なくして何の意味もない」と言ったトーマス・カーライル(Thomas Carlyle,1795~1881、英歴史学者)の言葉を、事あるごとにかみ締めなければならないだろう。(松島悠佐)