中国・尖閣諸島問題
わが国の尖閣諸島国有化措置から1ヶ月が経ち、中国の反日政策が続いており、尖閣諸島周辺海域では漁業監視や警備などの中国の公用船が連日行動している。
このような活動は、中国の予定の行動でありしばらく続く。日本が音を上げるか、国際的評価がはっきりと中国寄りに傾くまで続くだろう。それが中国の最初からの思惑だからである。
ここで日本が音を上げると、次は先島諸島、更には沖縄諸島へとエスカレートしてくるだろう。時間は10年でも20年でも中国はいとわない。それが彼らの戦略だからである。
尖閣諸島への対応については、当研究所発刊の「尖閣諸島が危ない」や、これまでの諸論文にも書いたが、中国は南西諸島を支配下に納め、第1列島線の防衛体制を確保するまで執拗に作戦を続けてくる。
わが国として大事なことは毅然とした対応によって、日本の領土であることを明確に示す行動を取ることである。当然ながら武力行使を覚悟して行動しなければならない。それは国を守るためには当たり前の行動である。
政治家の中には、揉め事のある島は共同管理にして争いが起きないようにしたらどうかという意見を持っている者もいるようだが、国土・領土という意味を理解していないのではないかと思われる。
他国から侵害を受けない明確な国土・領土があるからこそ、それを基盤にして国民は安心して社会生活ができ、経済活動もできるのである。
共同管理の考えは、争いを避ければ事足りるというその場凌ぎの考えでしかない。
他方、実効支配を明示するための手を何も打たないことも、危険であり、中国に間違った情報を与えている。
「日本は口では自国の領土といっているが、本心はそれほど堅固なものでもなさそうだ。もう少しゆすれば中国の領土になる可能性があるぞ」と、思わせてしまっている。共同管理の提案や無策は利敵行為と認識すべきである。〔松島悠佐〕