全国大学対抗棒倒し大会があったら
「棒倒し」という、運動会の定番がありました。最近では危険だということであまりやられていないようです。そのほかに「騎馬戦」等も危険性の高いものです。しかしながら、勝ち負けがはっきりした力勝負なので、結構面白いものでした。
全国の大学対抗で、棒倒し大会があったとしたら、優勝校はどこになると思われるでしょう。私はかなりの確率で優勝校は「防衛大学校」だと思います。
毎年秋に、防衛大学校の「開校祭」が行われます。数々他の大学にないイベントがありますが、その中で迫力満点なのが棒倒しです。本当の力勝負で、棒を倒すか、棒の先端の旗を奪い取るか、どちらかで勝負がつきます。防衛大学校は5個大隊に分けられていて、運動会の勝敗は大隊対抗になります。
特に呼びものである「棒倒し」は100人ぐらいで1チームとなり、攻撃チームと防御チームに分かれて、先輩後輩なしの文字通り「肉弾戦」を展開します。殴ったり首を絞めたりは禁止ですが、棒によじ登ろうとする者はかなり殴られます。攻撃チームと防御チームの人数割も自由、戦法も自由です。棒の根元は体重のある、屈強なものが固め、周囲に3重ぐらいの人垣を作りさらにその周りに、突撃してくるものを蹴倒したりタックルしたりして阻止する遊撃隊を構成します。攻撃側は、楔形の陣形をとったり、中心の人垣の上に上るべく人の階段を作ったりします。この際、日ごろの恨みを晴らそうとする者もかなりいます。あちこちで試合そっちのけの殴り合いなどもあります。
何度か見ましたが、本当に壮絶な戦いで、大隊間の体力的な差はあまりありませんので、作戦や、勇敢さの差が勝敗を分けるみたいです。
大学スポーツで防衛大学校はさほど上位にありません。これは、平均的な体力はあるのですが、学業と、体育それに自衛官になるための訓練をまんべんなく行わせるからだと思います。
それにもかかわらず、全国大学対抗で「棒倒し大会」がなされれば、防衛大学校が優勝するだろうという根拠(と言っても私見ですが)を述べると、防衛大学校は全体的に体力のあるものが多いこと、大隊でチームワークが極めて良いこと、戦略、戦法を日ごろから磨いていること等です。確かに一般の大学でも、ラクビーなどのスポーツをする学生は体力的に優れています。しかし、100人もの人間は、そんなに揃うものではありません。大学対抗になれば、防衛大学校でも各大隊から選抜してきますので、2,000人ぐらいの中からの精鋭100人ということになり、粒のそろい方が違います。
何よりも、戦闘意識について、各人が高いレベルで認識している点も他の大学では一部の運動部員以外は、あまりないことです。
ちなみに今年は11月11日の日曜日が防衛大学校の開校祭です。
年によってイベントが変わりますが、ほかの大学では見られない、訓練パレード、模擬戦闘、ドリルなどもありますので、ぜひ横須賀の「走り水」までお運びいただきたいと思います。京急浦賀線「馬堀海岸」または「浦賀」が最寄り駅です。もちろん「棒倒し」の迫力も十分に見聞、体験されることを望みます。
我が国の防衛の中核をなす幹部自衛官をどのように育てているか、一度見ていただきたいと思います。防衛大学校の生徒は制服ですが、カッコ良いですよ。
防衛大学校自身、小高い場所に位置し、白亜の殿堂と呼ばれています。なお近くには観音埼灯台等の名所もあり、周辺の景色などもお勧めです。