オスプレーは夢の航空機

色々と分類方法があり、少し専門的になりますが「航空機」は、空気より重い重航空機と空気より軽い軽航空機に大きく分けられます。軽航空機は、気球、飛行船等です。(重航空機に分類される特殊な飛行船もあります)
通常皆さんが航空機と呼んでいるのは「飛行機」のことです。レシプロと呼ばれる、内燃機関エンジンや、ジェットエンジンで推進力を得、前に進むことにより翼から揚力(浮き上がる力)を得る固定翼航空機と、プロペラ(正確には回転翼)を上に向けて回転させ、揚力を得る回転翼機(ヘリコプター)があります。プロペラが有るか無いかでも大きな外観上の違いがありますが、最近のプロペラ機はほとんどがジェットエンジンで動いています。ヘリコプターも同じくジェットエンジンで駆動力を得ているものがほとんどです。
固定翼機と回転翼機はそれぞれ、長所と欠点があります。
固定翼機は、滑走路を必要とし、狭いところで離着陸はできません。しかし、高速で飛ぶことができ、効率が良いため、航続距離も非常に大きくなります。皆さんもその恩恵にあずかり、太平洋を無着陸で飛行できるわけです。
回転翼機はそうはいきません。元々ロスの多いものですので、飛行時間、飛行速度の関数である、航続距離が稼げません。ヘリコプターでは太平洋を横断できないでしょう。
もしこれができれば、その辺の広場から離陸し、遠くの目的地まで飛行すれば、電車並みの便利な乗り物になります。
固定翼機と回転翼機の良いところを両方満足できるものはないかということで、色々な試みがなされてきました。離着陸距離を短くするSTOL(Short Takeoff and Landing)機、たくさん兵器などを積んで燃料満タンで重い離陸時は少し滑走して、機体が軽くなった着陸時は垂直に着陸するSTVOL(Short Takeoff and Vertical Landing)機等です。
皆さんもご存じのハリアーは最も成功したSTVOL機です。
しかしこれらの飛行機はどちらかというと固定翼機側の性能を重視したものでした。
一方、VTOL(Vertical Takeoff and Landing)の代表であるヘリコプターの方はあまり進化せずに来ました。滑走路を必要としないので便利なものですが、飛行時間、速度、飛行距離、搭載能力などで、固定翼機に大きく劣ります。
これを画期的に改善させているのが「オスプレー」なのです。垂直に離陸し、速度が上がると水平飛行に移り、高速で遠くまで、重い荷物を運ぶことができます。墜落事故が起こって危険だという人々がいますが、天の摂理に反して鉄の塊が空を飛ぶのですから、ある意味、落ちるのが当たり前です。一日何十万人の人が搭乗している飛行機は、人間の英知で墜落しないように作り上げてきたのです。
オスプレーは開発完了少し前に事故を起こしています。しかし事故率から言えば、非常に低いものです。主に垂直離陸モードから、水平飛行モードに変わる遷移持に不安定になって事故に至ったものです。
昔は皆さんの運転する自動車も、高速で走行中セコンドに入れることができ、回転数が異常に上がったり、自動車が不安定になったりしました。しかし、今はある程度以上の速度では、セコンドに入りません。これはコンピュータの発達により、安全にコントロールするようになったためです。
同じようにオスプレーをはじめとして飛行機は日々改善が図られ、より安全に、より高性能になってきているのです。
固定翼機と回転翼機の両方の良い特性を併せ持つオスプレーは夢の飛行機なのです。
今は沖縄での反対運動が激しいので、陸・海・空自衛隊も何も言っていません。
しかし尖閣諸島という離れた場所の領土を護ることを始め、島国である我が国こそ、オスプレーの特性を最も有効に活用できる国なのです。
できるだけ早く、陸・海・空自衛隊も導入・装備化し、作戦に、救難に、災害派遣に活躍できるようすべきだと思います。