「特技制度」
陸・海・空の各自衛隊では、特技制度というものが定められています。
ところが、これについて各々全く違う形で定着しているのです。
前に、少し話しましたが、航空自衛隊では職種間が縦割りで、自然と特技別に配置されたり、移動も特技の同じところへ行ったりするため、特技が重視されています。またその関係で、特技番号というもので、仲間内を作る傾向にあります。
運用職種、例えばパイロット(操縦特技といいます)、ミサイル運用、管制官等は1番で始まる4桁の特技ナンバーです。11~15○○は操縦、16○○は航空管制、17○○は要撃管制といった具合です。
これらは運用特技です。
ナンバーが大きくなるほど後方職域となります。私は研究開発でしたので86○○でした。8番の後に残るのは9番の衛生特技だけですので、ブービー賞というところでしょうか。
航空自衛隊では、特技ナンバーで、会合を持ったり、お互いを認識したりします。
例えば、「あいつは43だからね」等というと、彼は航空機整備幹部だからねということになります。
17会(要撃管制)、64会(補給)など、数字を冠して会合を持ち、先輩後輩の絆を作っている特技もあります。
このことを、陸上自衛官に聞くと「番号って何の番号かな? 色々あるけど、別に人事管理や、通常の会話に番号は出てこないねー」という反応です。陸上では「職種」が先ずあり「普・特・機」をはじめとして、通信、輸送等々の職種別で人事管理などが行われます。
特技はMOS(Military Occupational Speciality)といい、どちらかというと「取得資格」と考えたほうがいい取り扱いです。どこかの課程を修了すると、MOSを取得することになり、MOSをたくさん持っていると、色々なことができるということになります。
海上自衛隊では、以前は特技番号を結構使っていたみたいですが、現在は余り言わないとのことです。
一応、特技制度は制度化されているため、各自衛隊では制度としてはあります。航空自衛隊だけが、結構重視しているということになります。
ここで、1番から始まる特技は運用職だといいました。では2番から始まるのはどのような特技でしょう。
正解は情報職です。運用についで、情報が位置づけられているのでしょう。また、気象に関する特技も2番から始まります。航空自衛隊では「気象」も重要な情報なのです。(島本 順光)